平成19年8月16日

各位

社団法人 日本病院薬剤師会
会長 伊賀 立二


病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会報告書について


 今回の検討会では病院薬剤師の業務と人員配置のあり方を、実態に基づいて検討することとなり、当会では病院薬剤師の業務が医療・薬物治療の安全確保と質の向上に貢献していること、薬剤師の配置数が多いほどその貢献度が高いことを示し理解を求めました。

報告書では、病院薬剤師の役割の重要性が高まっていることに対する認識が示され、当該病院の規模や機能に応じて、個々の病院で必要な医薬品関連の業務が実施されるのに十分な薬剤師数を確保していくことが重要であると結論づけられました。

 また、提言された業務の実施状況や、薬学教育6年制の状況等の変化に応じて必要が生じた時期に改めて人員配置のあり方について検討すべきであること、患者の医療安全と薬物療法の質の向上が期待される病院薬剤師の業務については診療報酬上の評価がなされるべきであること、チーム医療への参画、病棟業務を通じて患者の信頼のもとに「顔の見える薬剤師」としての更なる努力を求めることされました。

 第1回検討会が平成18年12月に始まり平成19年7月の第3回の検討会で報告書が取り纏められるという短期間の検討でありましたが、病院薬剤師の業務実態調査とそれに基づくあるべき業務と役割として、医療・薬物治療の安全確保と質の向上のための業務、医療の安全確保のための情報に関する業務、その他取り組むべき業務14項目が盛り込まれましたことは当会として高く評価するものであります。

 今回実施したアンケート調査につきましては多くの会員の皆様のご協力により70%を超える回収率が得られました。それによりますと、精神病床のみを有する病院を除く3964施設のうち、薬剤師1人当たりの入院患者数が30人以下の施設が57%、31人〜50人の施設が26%もありました。精神科病院においても30人〜50人の施設が13%、51人〜70人の施設が28%、71人〜100人の施設が38%という結果であり、全体でも90%の施設が現行の配置標準を超える薬剤師が配置されているという結果でした。これはまさに会員の皆様の日頃のチーム医療の一員としての活躍が評価されたものであると確信しております。

 今後、当会といたしましては、病院の規模や機能により優先順位は異なると思われますが、ここに提言された業務について積極的に取り組み、患者のみならず広く国民から病院薬剤師の業務が理解され、信頼される「顔の見える薬剤師」として活躍出来るよう会員の皆様とともに一丸となって取り組んでいきたいと考えております。

資料1・・・ 病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会報告書

資料2・・・ 調査結果の概要

資料3・・・ 集計表(精神病床のみを除く施設)

資料4・・・ 集計表(精神病床のみの施設)



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