平素より日本病院薬剤師会の活動にご高配を賜り御礼申し上げます。
さて、平成24年度診療報酬改定では、薬剤師が病棟で薬物療法の有効性、安全性の向上に資する業務を実施することが評価され、入院基本料の加算として病棟薬剤業務実施加算が新設されました。この加算では、薬剤師がより積極的にチーム医療に参加し、患者個々の服薬能力に応じた薬物療法の支援、薬物療法の有効性、安全性の向上、医薬品安全使用への貢献、医師等の業務負担軽減等で成果を出すことが求められています。
しかしながら、療養病床における病棟薬剤業務実施加算は、一般病棟とは異なり入院日から起算して4週を限度として算定するとの制限が設けられております。
本会といたしましては、療養病床においても入院期間を問わず、薬剤師が積極的にチーム医療に参加することが必要であり、その結果として、質の高い、安全な薬物療法の提供と、医療スタッフの業務負担軽減等に貢献できると考えております。そこで、当委員会では、入院日から5週目以降の薬剤師の必要性を立証するため、「療養病床における病棟薬剤業務に関する調査」を実施することに致しました。
つきましては、本調査の趣旨をご理解いただき、多くのご施設にご協力頂けますようよろしくお願い申し上げます。
調査の詳細につきましては以下の通りでございます。
「療養病床における病棟薬剤業務に関する調査」
◎調査の概要
- 本調査の目的
平成24年度診療報酬改定において入院基本料に新設された「病棟薬剤業務」の実践では、薬物療法の向上、医薬品安全使用への貢献、医師等の業務負担軽減などを目的として、薬剤師のチーム医療への更なる協働が期待されている。そこで、本調査は療養病棟においても入院期間を問わず、薬剤師が患者と継続的に関わることにより、患者個々の服薬能力に応じた薬物療法の支援、薬剤の効果の確認、副作用や相互作用の早期発見・軽減・回避、医療安全の確保、更に医療スタッフの業務負担軽減等への成果について調査・研究することを目的とする。
- 調査対象
全国医療施設の療養病棟等を対象に施設調査を行い、調査対象期間中に当該病棟に入院している患者を対象に個別調査を行う。
- 協力対象施設
薬剤管理指導・病棟薬剤業務を実施している施設(病棟薬剤業務実施加算の算定は問わず)
- 調査方法
平成25年3月初旬に日本病院薬剤師会ホームページ上で調査協力を呼びかけ、協力施設を公募する。同時に、各都道府県病院薬剤師会を通じて調査協力を呼びかけ協力施設数の増加を図る。調査概要および調査票等(エクセルファイル)をホームページに掲載し、ダウンロードできるようにする。調査に協力いただける施設には日本病院薬剤師会より、調査結果報告用CD−Rを送付し、調査期間終了後に調査結果を保存し、日本病院薬剤師会事務局宛に返送にする。
- 主な調査項目
●施設調査(調査票 A−1)
調査対象となる1ヶ月間の病院基本情報および療養病棟における患者の状況と薬剤師業務の概要を調査する。
●医療安全に関する調査(調査票 A−2〜3)
薬剤師が調査期間中および病棟業務開始の前後に療養病床において医療安全に関して貢献した具体事例を調査する。
●チーム医療に関する調査(調査票 A−4)
チーム医療に薬剤師が関与し、医師、看護師等の業務負担軽減に繋がった具体的事例について調査する。
●個別調査(調査票 B−1〜2)
調査期間中に療養病床に新規入院した患者に対し薬剤師が行った薬物療法に関する処方提案、検査実施の提案等の薬学的関与について、入院時から最長3ヶ月間(12週)継続調査し、調査開始時と退院時(調査終了時)の患者状況を調査し検討する。
- 調査期間
●施設に関する調査
調査票 A−1:平成25年3月の1ヶ月間、および3月1日の状況
調査票 A−2〜4:平成24年4月〜平成25年3月
●個別の調査
調査票 B−1〜2:平成24年12月〜平成25年6月
- 調査目標数
全国50施設以上 約300症例
- 倫理的配慮について
本調査については、医療法人久仁会鳴門山上病院倫理委員会において承認を得ている。
本調査にご協力いただける療養病床がある施設の方は「件名:療養病床のエビデンス調査への参加」として、総務課(
somu@jshp.or.jp)にメールをお送り願います。
折り返し、本会の療養病床委員会担当者より、ご連絡を差し上げます。