統合失調症治療薬「ゼプリオン水懸筋注」(製造販売元:ヤンセンファーマ株式会社)は、2013年11月19日の販売開始以降、2014年4月16日までの間に、本剤との因果関係は不明であるが、死亡例が21例報告されました(推定使用患者約10,900人)。このため、ヤンセンファーマ株式会社は、安全性速報「ゼプリオンR水懸筋注25mg,50mg,75mg,100mg,150mgシリンジの使用中の死亡症例について」(別添1)を発出し、注意喚起を行っています。
この安全性速報では、21例の死亡症例の概要、適正使用の徹底を図るべく「使用上の注意」を改訂すること、本剤は持続性製剤であり急激な精神興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には使用しないこと、本剤及びリスペリドンの主活性代謝物はパリペリドンであり、本剤への切替えにあたっては過量投与にならないよう用法・用量に注意すること、本剤は初回投与後速やかに血中濃度が上昇するので、症状が安定していることを確認した後、経口剤を併用せずに本剤の投与を開始することなどを示した内容となっています。
一方、厚生労働省は、平成26年4月17日付で医薬食品局安全対策課長から日本製薬団体連合会安全性委員会委員長宛に「医薬品の使用上の注意の改訂及び安全性速報の配布等について」(別添2)を通知し、使用上の注意の改訂等の必要な措置を講じるように指導しました。
会員におかれましては、別添1の「安全性速報」及び別添2の「医薬品の使用上の注意の改訂及び安全性速報の配布等について」をご覧戴き、医師及び薬剤師等の関係者に情報提供するとともに周知して戴き、「ゼプリオン水懸筋注」の適正使用に努めて戴くようお願いします。また、本剤を使用する患者さんやご家族向けの「患者向け医薬品ガイド」は、下記のURLをクリックしてごらんください。
URL
http://www.info.pmda.go.jp/guide_ippan/guide.html
(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品医療機器総合機構ホームページ」)
また、ご家族など身近な人には、患者さんの状態の変化について注意して、もし体に異常が見られたら医療機関へ受診するよう勧めてください。
なお、この安全性速報を医療機関内において情報提供するにあたっては、精神科、神経内科、心療内科だけではなく、初期症状があらわれた患者を診察することになる内科、救急外来等の幅広い診療科に周知して戴きますようお願いいたします。